第1回目の記事では、当社がインスタグラマーを起用したプロモーションを実施する際の、インスタグラマー選定のポイントについて紹介をさせて頂きました。
今回はインスタグラマーを起用したプロモーションと売上の連動性について独自で調査した結果を元に、施策におけるポイントを紹介させて頂きます。
まず、プロモーション事例の紹介の前にインスタグラマーを起用したプロモーションを行う上で、当社が重要と考えているポイントについて紹介させて頂きます。
<インスタグラマーを起用したプロモーションにおけるポイント>
ポイント1. 常にフォロワーの目に触れさせるため、インフルエンサー(※1)は継続的に投下し続けるべし
ポイント2.プロモーション時期により、タレント、マイクロインフルエンサー等のインフルエンサーの使い分けをすべし
ポイント3.Instagramのみでなく、キャンペーンも実施しTwitterもうまく活用すべし
※1:タレント、読者モデル、一般人全てを含めInstagramのフォロワーが多い人(フォロワー数10,000以上)をインフルエンサーと呼ばせていただきます。
それではここから以下の事例を参考に、インスタグラマーを起用したプロモーションにおけるポイントを細かく分析していきましょう。
※今回ご紹介させて頂く事例は、各分析ツールを活用し、当社が独自に調査・分析したものとなっております。
■調査した商材
商材:シートマスクA(大容量タイプ)
発売:2017年6月末
単価:約2,000円
販路:ドラックストアがメイン
■調査方法
・Googleトレンド
・ドルフィンアイ(株式会社 True Dataが提供している、全国のスーパーマーケットやドラッグストアなどの購買情報を用いた分析ツール)
・I-Analyzer(当社で提供しているInstagram専門分析サービス)
■シートマスクAのプロモーション施策
【図1】
まず、シートマスクAが新商品発売のタイミングの2017年6月末から2017年10月末までのプロモーション施策について、図1をご参照ください。
全体像を見てみると、6~8月にかけてタレントとマイクロインフルエンサーを複数名起用し、WEBCMの動画を主にInstagramに投稿していました。9月以降は普段からコスメの投稿が多いタレントのInstagram投稿、更に10月にはマイクロインフルエンサーを中心にInstagram投稿し、最終的にはTwitter上でのプレゼントキャンペーンを継続的に実施し、売上を伸ばしています。
この他にも、WEBCMの素材を活用してInstagram広告やFacebook広告等の施策も行っています。
参考までに、パック全般と今回のシートマスクAの買い物指数の動きをグラフ化しました。
※買い物指数:来店者100万人における購入点数
このグラフから、パック全般の買物指数の動きと、シートマスクAの買物指数の動きを比較すると、季節的な要因で売上が上昇している可能性は低いと考えられます。
シートマスクAは、発売直後のタレントによる認知拡大と、8月後半以降の露出最大化により、売上を上昇させたと想定されます。
では、実際にInstagramの投稿と売上の相関性を細かく見ていきましょう。
■Instagramの総フォロワーと買物指数の相関性
【図2】
図2について、順を追ってグラフの①から説明させて頂きます。
ここではWEBCM含めタレントを複数名起用していました。
買物指数を見る限り直接的に売上点数に直結してはいないのかもしれませんが、「情報の拡散」としてタレントを起用していると想定されます。
続いて②のマイクロインフルエンサーです。
ここではWEBCMの動画の内容を中心にマイクロインフルエンサーが投稿をしていました。
ここから徐々に買物指数が上がっていることがわかります。
続いて③は、コスメとの相性※2の良いタレントを中心に起用した投稿をしていました。
外部要因もあるかもしれませんがここでぐっと買物指数が上がっていることがわかります。
※2商材とインフルエンサーの相性について(前回記事参照)
そして最後の④です。
ここではタレントとマイクロインフルエンサーの両者を起用していました。
データ取得時に買物指数が取れなかったのでグラフ化ができていないのですが、10月中に継続して投稿しており、6月~10月で最もフォロワー数の合計値が高い数値となっていました。
10月から、Twitterの公式アカウントのフォロワー数が20万を超える外部メディアとのタイアップで、Twitterのプレゼントキャンペーンを実施しており、2,000件強のリツイート※3がされていました。
Twitterは情報の拡散が早く、プレゼントキャンペーンや露出をいち早く出したいときにはとても良いメディアかと思います。
※3リツイート:他の人のツイートを"Re=再び"ツイートするというものです。自身のタイムラインに流れてきたツイートを「リツイートする」と、自身が抱えるフォロワーのタイムラインにリツイートしたツイートが流れます。
余談ですが、6月~10月までの活用インフルエンサーを見ていると一部複数回投稿しているインフルエンサーも見受けられましたが、ほぼインフルエンサーの入れ替えをしての投稿になっていました。
以上が図2から見えてくる、Instagram投稿と売り上げについての相関性になります。これらを踏まえて、改めて冒頭のポイントを述べさせて頂きます。
■ポイント1. 「常にフォロワーの目に触れさせるため、インフルエンサー(※1)は継続的に投下し続けるべし」
今回紹介させて頂いたシートマスクAは、6月~10月まで継続的にタレント、マイクロインフルエンサー含む、インフルエンサーの投稿が見受けられました。
Instagramを見ているユーザーの多くは、流行っている商品の情報をいち早くInstagramから手に入れているユーザーも多くいます。様々なインフルエンサーがあちこちで商品を投稿していたら「流行っている商品」と感じる方もいるのではないでしょうか。また1度見てもすぐに忘れてしまうこともあるので、継続的に目に触れさせるということが重要と考えます。
■ポイント2.「.プロモーション時期により、タレント、マイクロインフルエンサー等のインフルエンサーの使い分けをすべし」
当社もよく企業様から、「タレントとマイクロインフルエンサーの使い分けをどのようにしているのか?」という質問を頂きます。
例えば、あるファッションブランドのジーパンが発売したとします。タレントであるローラさんが新発売したジーパンを着こなすと、スタイルが良すぎるあまりに少し自分事化が難しいのではないのでしょうか。ただし、情報の拡散はされ、新商品が発売したという情報はフォロワー数の目に触れさせることが可能です。
それに対しマイクロインフルエンサーは、1人当たりの影響力はタレント程ではないですが、「身長も同じくらいで、いつもファッションの参考にしている憧れの○○ちゃんがローラさんと同じジーパン履いていたら、ちょっと履きこなせるか心配だったけど私も履ける気がしてきた!」というような感じで態度変容が起こるのではないでしょうか。そのため、プロモーションで実施したいことを考えた上で「情報の拡散」と「自分事化=購入の促進」の使い分けが重要と考えます。
■ポイント3.「Instagramのみでなく、キャンペーンも実施しTwitterもうまく活用すべし」
露出を最大化したいタイミングや、新商品発売のタイミングなどは、情報が早く拡散できるであろうTwitterをうまく活用すべきだと思います。Twitterだけでなくても、Instagramで見た商品が気になって商品名を検索した先にコスメサイトへの口コミがあることや、検索の受け皿としてメディアタイアップ記事を準備しておく等、Instagramのみに完結せず様々なメディアを活用してプロモーションを考える必要があるかと思います。ここの座組を考えるのはエージェンシーの腕の見せ所ですね!
以上、Instagramを活用したプロモーションで、売れた商品を事例とした施策実施のポイントでした。
※Instagramを実施して必ずしも売れるというわけではございません。紹介させて頂いた事例はその他プロモーションとInstagram施策を絡めて施策を行っておりました。
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